
著:野村 美月
たいした美女たちなのだよ!
全員とびきりなのだよ!
角川文庫2024年12月の新刊。約4ヶ月3週間の積み。色んなレーベルを渡り歩いている野村さんが今度は角川文庫に登場。
食を扱った角川ごちそう文庫なんてレーベル内レーベルがあるのね。
婚活アプリきっかけで隠れ家的ビストロを訪れる心に傷を抱えた女性達。彼女達を迎えるのは様々な絶品料理を生み出す敏腕シェフ。しかしそのシェフは頭に角付き、全身剛毛の野獣のような男で……。
大分前に体調の都合で長編は書けないと言っていたが、やはり今回も連作短編集形式ね。
ごちそう文庫を名乗るだけあって、お料理の描写がとても丁寧。ただ、俺が洋食に対してピンときていないのでお菓子の描写に比べるとあまり食欲をそそられる感じではなかったな。これは完全に俺側の問題だけども。
野村さんお得意のハートフルな展開は予想の範疇。しかしクライマックスで野獣がすずを追い掛けるために外の世界へ飛び出すシーンは意外にもアツく盛り上がってなぁ。
ハッピーエンドで良かったねぇ良かったねぇ。辛い過去の描写があるからこそハッピーエンドが際立つ。
続編はどうだろう。続けられるつくりではあるけど、一般ではこういうのは単巻終了が普通なのかなぁ。
燃:A+ 萌:A 笑:B+ 総:A+
著者リンク
・〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
・ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(ファミ通文庫、2012/02)
・吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
・陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
・アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~〈上〉(ファミ通文庫、2014/10)
・親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰(ダッシュエックス文庫、2014/11)
・下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。(ファミ通文庫、2015/06)
・SとSの不埒な同盟(ダッシュエックス文庫、2015/07)
・晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と(講談社タイガ、2015/10)
・楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
・むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)
・記憶書店うたかた堂の淡々(講談社タイガ、2020/07)
・世々と海くんの図書館デート 恋するきつねは、さくらのバレエシューズをはいて、絵本をめくるのです。(青い鳥文庫、2020/10)
・三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚(文春文庫、2020/12)
・ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話(2020/12)
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