
著:綾辻 行人
小賢しい計算による予測が十全に通用するには、あまりにもこの世界は偶然に満ちすぎている。あまりにも人の心は気まぐれに満ちすぎている。
講談社文庫2007年10月刊行物。約2週間の積み。『鳴風荘事件』からは1年7ヶ月振り。
ある日、神のお告げが下って、綾辻さんの作品読んでみたら?と言われたのでデビュー作に手を出してみることに。綾辻さんの著尺は大分前に『Another』だけ読んだことあるんだよね。
1987年に世に出た割にあまり古臭い感じがしないなと思ったら、何度か大幅改稿してるのね。それでも最後の改稿から20年近く経ってるわけだけど。
奇妙な形の館が立つ孤島へとやって来たミステリ研の大学生達。この島ではかつて凄惨な事件が起きていて、学生達は推理小説のようなシチュエーションに沸き立って。そこで新たな事件が起きるとも知らずに……。
島と本土、2本の軸でストーリーが進行。ということはクローズド・サークルとは呼ばないつくりなのかな。
はは~ん、ミス研の会員がみんな海外の有名ミステリ作家の名前をニックネームにしていて、江南(かわみなみ)がコナンってことは守須はモーリス・ルブランなんですね、分かります。
と思っているところから、ミスリードに綺麗にハマっていたと気付かされるのんぎぼぢぃぃいいいいいいいい!!!!ビクンビクン
まさか犯人が完全に復讐を達成するとは思わなんだ。こういうのって後ちょっとってところで探偵に阻止されるんじゃないのかよw
復讐を終わらせてスッキリ!とはいかないのが何ともやるせないよな……。
え、大学生の年次を「回生」って呼ぶのって関西だけなの!?そうやったんか……。もっと早く気付くきっかけがあってもよさそうなもんだけどなぁ。
そんなわけで綾辻さんのデビュー作でした。いやはやストレートに楽しめましたねぇ。ちょっと暫く読み続けてみようかしら。
燃:C 萌:C 笑:C 総:A+
著者リンク
・Another(上)(スニーカー文庫、2012/03)



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