
著:野村 美月 イラスト:竹岡 美穂
━━満月の夜、きみに会いに行く。
富士見L文庫2026年8月の新刊。3週間半の積み。最近活発に本を出している野村さんが富士見L文庫にも登場。何かタイトルがAVっぽくない?大丈夫?
今回も勿論、食事にフィーチャーした連作短編風味だが、今回は長編の様相が濃いめ。
イラストはファミ通文庫『文学少女』や『ヒカル』シリーズ等でお馴染み竹岡さんということで、ここにきてレジェンドコンビ復活じゃん。
遠縁の親戚から古い団地の一部屋を相続した、売れない絵本作家の想乃(その)。彼女がそこで出会ったのは想い人を待ち焦がれる異国のお姫様ユリアで……。
待つことばかりの人生だと後悔する想乃と想い人アルヴィンを待つ間、活き活きと暮らすユリアの対比。待つんじゃなくて私からぶっ込むんだ!というよりは待つこと自体を肯定してくれる見せ方なのが良かったね。
想乃とユリアがきゃっきゃしながら日常を送る様は癒されるねぇ。
おかゆやスイーツが美味しそうで困る(困らない)
想乃とユリアとアルヴィンで三角関係になってしまうのか……とヒヤヒヤしたが、そういう路線でなくてほっとしましたね。
アルヴィンに恋い焦がれるユリアの可愛らしさにほっこりしながら、このまま最後までいくんだろうな……と思いきや、終盤にドシリアスな急展開である。
これは予想外だったね。多少の波はあれど、言うてハッピーエンドに着地しますやろ?と高を括っていたから心臓を鷲掴みにされたような気分。
最後には希望がある結末でほんと良かった……。野村さん、油断するとミステリ的トリックを仕込んでくるから気を抜けないんだってことを思い出したわw
語っていない余白はあるが、これはシリーズ化しない方が美しいだろうな。
燃:B 萌:A 笑:B 総:A+
著者リンク
・〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
・ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(ファミ通文庫、2012/02)
・吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
・陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
・アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~〈上〉(ファミ通文庫、2014/10)
・親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰(ダッシュエックス文庫、2014/11)
・下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。(ファミ通文庫、2015/06)
・SとSの不埒な同盟(ダッシュエックス文庫、2015/07)
・晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と(講談社タイガ、2015/10)
・楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
・むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)
・記憶書店うたかた堂の淡々(講談社タイガ、2020/07)
・世々と海くんの図書館デート 恋するきつねは、さくらのバレエシューズをはいて、絵本をめくるのです。(青い鳥文庫、2020/10)
・三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚(文春文庫、2020/12)
・ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話(2020/12)
・ビストロ・べーテヘようこそ 幸せのキッシュロレーヌ(角川文庫、2024/12)
・紅茶とマドレーヌ(ハルキ文庫、2025/05)
・和カフェこよみ しずさんの春めく推しごはん(徳間文庫、2026/01)
イラストリンク
・蒼井葉留の正しい日本語(ファンタジア文庫、2014/05)



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