著：洲央（すおう） イラスト：久賀 フーナ
単位がほしかっただけなのに！単位を落としすぎただけなのに！
ガガガ文庫2025年11月の新刊。約３日の積み。
京都を舞台に大学生達が単位を奪い合うという粗筋を見て興味が湧きまして。
イラストの久賀さんは昨年『異世界エルフと京大生』の挿絵を担当されていた方ですね。あちらも京都が舞台の作品というのは偶然？そんなことある？
表紙の見返り美人っぷりが素敵ですねぇ。
何事にも興味が持てず、大学も１回生の内から単位を落としまくってしまった青年、不明門新（あけず・あらた）。そんな彼はある日、墨染桜花という黒髪美人の先輩と出会い、勝者が単位を手に入れられるという戦いに身を投じることに……。
各地の神社で不定期に開催される超常の戦いに勝つと単位が貰えるという設定は面白い発想だなぁと。
ただ、この単位戦の描写がいまひとつピンとこないんだよなぁ。もっとぶっとんだ異能バトルっぽく仕上げても良かったんじゃない？ちょっとした味付け程度には入ってるんだが……。
単位を落とすあるあるももっと色濃く描写してほしかった。雨が降ってたから部室から教室まで行くのがダルくて単位落としたとかそういう話が欲しかったんだよね。
後半に進むにつれて青春小説の様相が強くなってきて。それはそれで面白くはあったのだが、どうしても最初の印象でコメディだと思っていたので肩透かし感があってなぁ。
墨染先輩のゲロを飲んだから、おっ、期待出来るか？と思ったのだが……。ゲロを吐くヒロインは昔からいた覚えがあるけど、ヒロインのゲロを飲むってのは初めて見た気がする。
それはそうと今宮さん、ひっそりと恋に破れていて切ないよぉ……。
シリーズ化出来そうなつくりではあるけど、ここでスパっと終わった方が綺麗だろうか。まぁ続きが出たとしても私はスルーですかね……。
燃：Ａ 萌：Ａ 笑：B+ 総：Ａ
イラストリンク
・異世界エルフと京大生（星海社FICTIONS、2024/07）
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