【ボーダー】十二国記 幽冥の岸【感想/ネタバレ】

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著:小野 不由美 イラスト:山田 章博

「これはそなたの思うところの奇蹟などではあらぬ。この世界にはそんなもの、最初からありはしないのじゃ」

2026年9月の新刊。約2週間の積み。6年10ヶ月振りの新刊。
これって2020年に出すと予告していた短編集なのか。延期し過ぎやろw小学校に入った子が卒業しとるやないかw

本作は大長編『白銀の墟 玄の月』執筆時に入り切らなかったサイドエピソード4本を収録した短編集。従って十二国全体を描くものではなく、戴に深く紐づいたストーリー群となっている。
その内、表題作『幽冥の岸』は遥か昔にキャンペーンによって先行で読めたものか。

時系列はバラバラで長編前、間、後とバラエティに富んでいる。
あまりにも前巻から間が空いているので、正直どこまでリンクしているのかさっぱり理解らないw

『戦場南』は善人とは悪人とは、何が正しくて何が悪いのかを投げ掛ける。目の前の苦痛から逃れるために王を売ることは悪いのかって、そりゃ家族や友達を守ることを優先するよなぁ……。
アナタ、総理大臣の生命に価値を感じますか?って話でさ。

『異邦の客』は驍宗と琅燦の出会いを描く。琅燦といえば『白銀の墟 玄の月』の大戦犯やないか。
この短編では好奇心が災いして死にかけたところを驍宗達に助けられることに。ここでは反省した風なのだが、この後、結局好奇心が勝って、戴を破滅へ追い込むことになるわけで。
完全に敵対していたわけではないとはいえ、倫理観バグり過ぎでは?

『夢の結び』は浮民の少女、白玉の数奇な出会いが描かれる。白玉を辛い境遇から救ってくれた小父さんを最後の方まで疑っていたの俺だけなの?
てっきり白玉を育てて愛妾にするんだとばかり……。

『幽冥の岸』は殺人によって穢れに冒された泰麒を治療するため蓬山へ。
そこで改めて示される十二国を取り巻くシステムの不可解さ。劇中の人物達にも指摘させるということは、いずれ種明かしをするつもりがあるんだろうか。
何らかの上位存在による実験場なのかな……。

あ、今年35周年なのか。アニバーサリーに新刊出せて良かったな。これ、本当は35周年合わせで新作長編出したかったんじゃなかろうか。それが到底間に合いそうにないので短編集の発売を遅らせて、アニバーサリーに合わせたとか……?
これ、新作が出るか小野さんの寿命が尽きるかの勝負になってきたな……。
というところで、ちょっと他の小野さんの著作も読んでみようかという気持ちになってきたぞ。

燃:A- 萌:C 笑:C 総:A

シリーズリンク
・十二国記 白銀の墟 玄の月 四巻(2019/11)

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幽冥の岸 十二国記 (新潮文庫 お 37-66)

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